2016年05月23日

|最終更新日 : 2016年10月09日|

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エンターテイメント

フィッシュマンズと佐藤くん

Content fishmans

佐藤くんが亡くなってから、今年で17年ほどたったらしい。

今の若い人は当然知らないだろうけど、90年代に「Fishmans」というわけのわからないバンドがいた。
いやもう、ほんとにふざけていて演奏している全員がなんかふわふわしていた。

ミリオンヒットを連発する90年代の小室哲哉全盛期を尻目に、この「わけのわからない」バンドは初期の頃、全然売れなかったらしい。

曲を聞いてもふわふわとしてて、ボーカルはさかなくんみたいな帽子をかぶって変な歌い方だし、頭がぶっ飛んでる人という印象しかなかった。
初めて聞いた時は「なんだこりゃ?」と近頃のイロモノバンドにはすごい人がいるもんだと驚いたことを覚えている。

そんなイロモノバンドだったけど、そこから紡ぎ出される音色は何とも言えない浮遊感で信じられないほど多くの人に愛されていた。そして20年近く経った現在も愛され続けている。

昔は学生だった私も気がつけば佐藤くんの歳を超えてしまったようだ。
少しフィッシュマンズ対するいろんな事を書き留めておこうと思う。

フィッシュマンズについて

フィッシュマンズはボーカルの佐藤君を中心に明治学院大学で結成されたバンド。
ジャンルとしてはテクノを強調しつつも、レゲエやダブ、ロックをブレンドして独自にアレンジしたようなスタイル。簡単に言えば浮遊感、ふわふわ系。

名曲選

フィッシュマンズの代表曲をいくつか紹介。

珠玉の名曲「いかれたBaby」
悲しい時に浮かぶのはいつでも君の顔だったよ~
悲しい時に笑うのはいつでも君の事だったよ~

人はいつでも見えない力が必要だったりしてるから~♪

fishmansで一番有名且つ愛されている曲。

ナイトクルージング
フィッシュマンズの浮遊感が色濃く表われた曲。ライブでも頻繁に演奏された。

すばらしくてNICE CHOICE
そっと運命に出会い、運命に笑う。
そっと背泳ぎを決めて浮かんでいたい。とろとろの名曲。

ゆらめき IN THE AIR
ゆらめきが凄い。

実際にはこれらの曲以上に相当な名曲が満載なフィッシュマンズ。
「人はいつでも見えない力が必要だったりしてるから~♪」
こんな歌詞、どうやったら思いつけるのか。やっぱり彼は天才なのかな。

フィッシュマンズとつながりのある人達

フィッシュマンズは明治学院大学の音楽サークル「ソング・ライツ」で結成されたわけだけど、そこには後々に有名になってゆくアーティストとの関わりもあった。
以下は同じ大学のサークルだったザカスタネッツのインタビュー。

牧野: そうなんだよね。俺らが入ったときの3年生に佐藤伸治さん(*2)がいて。ある意味ボスだったね。実際は幽霊部員だったけど。

(*2)佐藤伸治=フィッシュマンズボーカル

小宮山: 最初見たときさ、衝撃だったよ。かっこよすぎて。

二位: へ~すごいなあ。と言っても、まだそんなミュージシャンとして活躍してない時期だよね?

牧野: そうだね。伸治さんも友達集めてバンド組んだばかりかな。でも知られてないだろうけど俺たちよりガンガン活動してた。フィッシュマンズになる前ですね。
それで翌年にはそのサークルにカスタネッツの元ベースの若槻とか、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTのチバとかが入ってきたんだよね。

出典:http://ukproject.com/que/topics/the-castanet/index.html

フィッシュマンズのドラムの茂木君がミッシェルのドラムを叩いたり、ザカスタネッツがメンバーを佐藤君のフィッシュマンズにトコトン獲られたりといろんな絡みが。

ただ、売れてない大学時代の佐藤君から既に尋常じゃないオーラが出ていたことは驚き。

その他にもフィッシュマンズ、いや佐藤伸治は多くのアーティストに影響を与え続けている。

・UA、原田郁子
佐藤君亡き後のフィッシュマンズのボーカルを担当。

・の子(神聖かまってちゃん)
佐藤君亡き後のフィッシュマンズのボーカルを担当。
フィッシュマンズの大ファン

・田中要次(俳優)
http://babibox.blog78.fc2.com/category31-1.html
marimariと写真撮影するなど生粋のファン。

・山口一郎(サカナクション)
フィッシュマンズとのコラボライブを実現させるほどのファン。

山口:高校の時からフィッシュマンズを聴いてきたし、僕の中での "THE東京" というイメージだったんです。
実際に自分が東京に出てきて音楽で生きていくようになって、今こうしてフィッシュマンズと一緒に音楽をやれるって事が凄く考え深いですし・・・緊張しますね。

鹿野:フィッシュマンズの音楽をどう捉えていたの?

山口:はじめて聴いた曲が「Go Go Round This World!」って曲で。純粋に沁みてきた音楽でした。僕は当時の日本の音楽シーンに馴染めなかったんですよ。

でもフィッシュマンズを聴いて、自分がやりたいと思っていた音楽とはかけ離れていたけど、フィッシュマンズのお陰で日本でもこんな面白い事をやってる人達がいるし、シーンを確立出来るんだなって・・・
東京という街は面白そうだと思えたキッカケをくれたアーティストでした。

山口:日本人が演るソウルやファンクを僕はあまり好きになれなくて。
だけど「Go Go Round This World!」聴いた時にこれって日本人のマインドじゃないぞ、と。
バランス感覚に凄い惹かれたんですよね。
聴き込んでいくとダブの要素が入ったり、ライブ映像見ても明らかにサイケだし、だけど人気があって日本で活動していて、好きなものと広めたい気持ちがミックスされてるところに影響を受けました。

出典:http://www.tfm.co.jp/ehl2012/20120226/02.html

彼女について

佐藤君には当時​、marimariというモデル・歌手の彼女がいました。
素敵な女性で本当にお似合いのお二人でした。
marimariのブログ

当時から公然の関係としてファンには知られた存在で、フィッシュマンズの追悼イベントに参加したりと、その後も関係を持ち続いている。
現在では文筆やナレーション、リメイクブランド「CAPE」など精力的に活動を続けているとのこと。

当時の音楽雑誌では悲劇のヒロインとしてPickUpされていたりもしたけど、一ファンとして幸せをただ祈りたい。

佐藤伸治の死因

1999年の3月に風邪による心不全が原因で亡くなったとのこと。
前年末にもライブが行われていて、体調が悪い素振りはなかったのに、急に星になってしまった。

風邪からの心不全なんてそうそうある話じゃないし、インターネット上では自殺だなんだと言われていたみたいだけど、この手の急逝にはそういう話がつきものなので実際のところは本当に心不全なのかなと思う。

クスリ、例えば大麻なんかを常用している場合は体が弱くなって小さい病気でも亡くなることがあるらしいとか、ライブでの振る舞いや歌詞、音楽性を鑑みるとクスリでもやっていなければ成立しないとかいうふわふわした噂も流れたものだけど、どれも具体性に欠ける話でしかなかった。

よく似た亡くなり方にフジファブリックの志村正彦さんがいる。
この人も自殺説やクスリ説が流れたものだけど、結局は死因は原因不明だったようだ。
※公式に発表されている。

ちなみに佐藤君のお墓は千葉県の長生郡になる「笠森霊園」にある。
今でも多くのファンが訪れ、すぐにわかるように立て札まで立てられていて、横にはクーラーボックスがあり、そこには家族が作成したものであろう生前の雑誌の切り抜きや写真、メッセージ帳、カメラが入れられている。
メッセージを書き込めば、佐藤君のご両親からレスポンスが得られる事もあるとかないとか。
ファン必見ともいえるアイテムなので是非ご賞味を。

最後に

矢沢永吉がどんなに成り上がろうとも、氷室京介がどんな伝説をつくろうとも、ソング・ライツの後輩のチバユウスケがどんなにかっこよくたって、やっぱり若い時に星になった人間にはかなわない。
だって、記憶の中ではずっと永遠に若い素敵なままなんだもの。

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